第5回研究大会のご案内

第4回研究大会は同志社大学にて無事に開催されました。 次回の第5回研究大会は以下の通り、開催の予定です。 2014年10月4日(土曜日) 専修大学(公益学会との共催)
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グローバル・ガバナンス学会 第4回研究大会 開催ご案内

 冷戦終結後、時をおかずして旧ユーゴスラ ビアでボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争が勃発し、イスラム教徒と セルビア正教徒とクロアチア人カトリック教徒との間で三すくみのエスニック紛争が勃発してからというもの、冷戦時代には封印されていた宗教紛争が随所で噴出し、宗教紛争をいかに予防し、争終結後の「紛争後管理(post-conflict management)」に如何にして誤りなきを期していくかに国際社会の関心が向けられてきた。そして2001年の9・11同時多発テロの勃発は、冷戦終結後の新世界秩序がもはや国家間政治の旧来の枠組みでは捉えきれない局面に入ったことを強く印象付けた。21世紀の国際秩序が宗教原理主義集団などの非国家主体の影響力の増大に向き合わざるをえなくったという意味で、我々はいまや冷戦後時代(post-Post Cold War era)の局面に佇んでいるといっても過言ではない。
 第4回研究大会の共通論題として宗教問題がグローバル・ガバナンスの行方に及ぼす影響を視野に入れて設定したのは、21世紀に入ってもなお国際関係の現在と将来に影を投げかけてきた宗教対立が醸し出す国内ガバナンスや地域ガバナンスやグローバル・ガバナンスにおける危機をどのよう捉え、安定したガバナンス・システムを構築するにはどのような道筋や方法が考えられるかを模索することを意図したからである。もちろん、一口に宗教対立といっても、民族構成との関連で国境を超えた宗教対立もあれば国民国家内部での多民族構成を原因とする対立もあり、その幅は実に広くかつ複雑である。
 そこで今大会は、グローバル・ガバナンスのあり様に歴史的に多くの教訓を残し、しかも現在な お負の影響を与え続けているユダヤ教 とイスラム教の対立に焦点を合わせつつ、しかもイスラム教の宗派間対立の相貌にも焦点を合わせ、モザイク模様に覆われた世界の宗教対立がグローバル・ガバナンスの行方に与える影響について真摯な討論を展開したいと思う。もちろん世界の宗教対立は、シオニズムとイスラムとの対立だけにとどまらず、キリスト教やヒンズー教や仏教世界をも巻き込む様相を強めてきた。その点で、より包括的な宗教対立の相貌を浮き上がらせ、グローバル・ガバナンスの難題ともいうべき宗教対立の全体像に迫る必要性を強く認識せざるをえない。この点については、今後の本学会における継続的研究テーマとして強く意識していかねばならないと思う。
 第4回研究大会の開催に当たっては関西政治社会学会の多大なご支援を得て、同学会との共催という形をとらせていただいた。この研究大会で午後の「アジア太平洋地域における人間の安全保障と環境のガバナンス」のセッションを関西政治社会学会に設定していただいた。実に現代的テーマであり、本学会の研究射程にも含まれる重要なテーマである。本学会の一つの目標でもある関係諸学会とのコラボレーションの趣旨にも、合致することはむろんいうまでない。今後の相互協力の進化と深化を視野に入 れながら、充実した討論が展開されるものと期待したい。 

グローバル・ガナンス学会長 山本武彦

▼ 日時:2014年4月12日(土)10時~

▼ 会場:同志社大学・烏丸キャンパス 志高館

▼ 大会プログラムPDF版 日本語プログラム English Program

▼ 大会プログラム概要

  • 部会Ⅰ:自由論題(10:00~12:00)
     ・ 笹岡雄一(明治大学) 「アセアン規範の日中への浸透」
     ・ 小宮山功一朗(慶應義塾大学)
      「サイバー空間における信頼醸成措置の実現にむけて」
     司会兼討論者 宮脇昇(立命館大学)
  • 部会Ⅱ:複合的グローバル・ガバナンス(10:00~12:00)
     司会:杉田米行(大阪大学)
     ・ 上村雄彦(横浜市立大学) 「グローバル・タックス と地球環境ガヴァナンス
      ―気候資金ガヴァナンスを手掛かり に 」
     ・ 西谷真規子(神戸大学) 「複合的グローバル・ガバナンス
      ―グローバル腐敗防止ガバナンスを一例として」
     討論者:蓮生郁代(大阪大学)、横田匡紀 (東京理科大学)
  • 部会Ⅲ:グローバル・ガバナンスとしての冷戦とその変容(13:50~15:50)
     司会:菅英輝(京都外国語大学)
     ・ 秋田茂(大阪大学) 「冷戦・開発主義とシンガポールの工業化 」
     ・ 鄭敬娥(大分大学) 「冷戦期におけるアジアの開発問題と日本
      ―グローバル・ガバナンスの観点から 」
     ・ 芝崎祐典(筑波大学) 「反核運動と冷戦—1950, 60年代イギリスを中心として」
     討論者:小野沢透(京都大学)
  • 部会Ⅳ:グローバル・ガバナンスと宇宙(13:50~15:50)
     司会兼討論者:青木節子(慶応義塾大学) 
     ・ 福島康仁(防衛省研究所) 「宇宙利用をめぐ る安全保障とグローバルガナンス」
     ・ 奥村由季子(国際法研究者)  「国連宇宙空間平和利用委員会における
      長期的持続可能性ワーキング・グループの動向」
  • 部会Ⅴ:アジア太平洋地域における人間の安全保障と環境のガバナンス(13:50~15:50)
    * 関西政治社会学会との共催

     司会:新川達郎(同志社大学)
     ・ 濱崎宏則(長崎大学)  「気候変動による水資源環境への影響と適応策の検討
      -メコン河流域を中心として」
     ・ 王智弘(総合地球環境学研究所)  「アジア環太平洋地域の人間環境安全保障:
      水・エネルギー・食糧連関」
     討論者:佐藤洋一郎(京都産業大学)、アイスン・ウヤル(同志社大学)
  • 共通論題:グローバル・ガバナンスと宗教(16:00~18:15)
     司会:山本武彦(早稲田大学)
     ・ 奥田敦(慶応義塾大学)  「イスラームとグローバルガバナンス」
     ・ 池田有日子(専修大学)  「アメリカ・シオニスト運動におけるパレスチナ秩序構想」
     ・ 宮田律(現代イスラム研究センター)  「イスラム的ガバナンスと紛争」
     討論者:石合力(朝日新聞)
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『グローバル・ガバナンス』創刊号掲載の論文募集のお知らせ

グローバルガバナンス学会誌投稿規程 『グローバル・ガバナンス』創刊号掲載の論文募集のお知らせ 投稿日: 2014年2月7日 作成者: admin グローバル・ガバナンス学会では、学会誌『グローバル・ガバナンス』創刊号の論文を募集いたします。 創刊号では「グローバル・ガバナンスを考える」という特集テーマを設定し、グローバル・ガバナンス概念に沿う、 意欲的な論文を募集いたします。 ご投稿いただく論文は、グローバル・ガバナンス概念の理論的検討はもとより、実証的で様々な論点を有する論文が期待されます。 具体的には、国際安全保障、環境、開発、金融、人権、貧困、感染症などの国境を越えて生じる問題や人類共通の問題に取り組み、 相反する利益や意見を調整しつつ、多元的な価値や文化の共存を目指す過程や構想。そしてこれら諸問題に対処する国際機関や国際レジーム、 政府、自治体、多国籍企業、NGO、市民など。グローバル・ガバナンス概念の理解に寄与する論文のご投稿をお待ちしております。 原稿の最終締め切りは、2014年5月末となっております。詳しくは学会投稿規程をご参照ください。 なお、連絡先及び投稿先は以下の通りです。 musui(@)komajo.ac.jp *スパムメール防止のため、(@)を@に直してください。
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グローバルガバナンス学会自由論題募集要項

 グローバル・ガバナンス学会は、2014年4月12日(土)に同志社大学で開催予定の春季研究大会における自由論題報告部会の研究報告を募集しております。下記に従ってご応募ください。 (1)応募受付期限:2014年1月31日(必着) (2)応募資格:修士あるいはそれに準じる学位を有しかつ刊行された論文が1篇以上あること。原則として、会員であること、あるいは入会申請中であること。 (3)上記(2)を満たす方で、報告をご希望の方は、【自由論題応募用紙】(Microsoft Word形式)をダウンロードして,下記(1)~(12)の所定の項目を記入の上、下記の応募用アドレスまで、Eメールにファイルを添付してお送りください。 (4)何らかの事情で【自由論題応募用紙】をダウンロードできない方は、下記(1)~(12)の項目についての情報を、下記のグローバル・ガバナンス学会事務局宛に、Eメール、あるいは郵送にてお送りください。 (5)なお、自由論題部会でご報告をお願いすることになった場合に、A4レジュメ1枚(パスワード付、PDF)を3月末日までにご提出いただくことになりますことをご了承ください。追加の報告用資料がある場合は、ご自身で印刷して当日、お持ちください。 (1)報告タイトル (2)報告のキーワード(3個以上5個以内) (3)使用言語(英語または日本語のいずれかを選択) (4)氏名(英文名併記) (5)所属(英文名併記) (6)肩書(英文名併記) (7)応募資格 (8)研究領域 (9)関連業績 (10)連絡先1(住所、電話、Eメールアドレス) (11)連絡先2(職場あるいは留学中など、上記連絡先以外に所在する可能性のある方) (12)報告要旨(A4用紙1枚以内、フォント10.5ポイント、40字×36行) 送付先:グローバル・ガバナンス学会 事務局 【Eメールの場合】governor@globalgovernance.jp 【郵送の場合】〒603-3577 京都市北区等持院北町56-1        立命館大学政策科学部・宮脇昇研究室        (封筒にグローバル・ガバナンス学会自由論題応募」と朱書のこと)  【FAXの場合】075-466-3098
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グローバル・ガバナンス学会 第3回研究大会 開催ご案内

 そもそもグローバル・ガバナンスという概念が国際関係の舞台に登場し、学問的な論争の対象として急浮上するようになったのは、冷戦体制が崩壊する前後の1990年代初頭の頃であった。冷戦秩序の崩壊から新世界秩序を模索する時代環境の激変期にあって、ポスト冷戦時代のガバナンスの体系が新時代に相応しいルールの体系を軸にしたものになるのか、それとも旧来のウエストファリア体系を継承する「政府なきガバナンス」(James N. Rosenau and Ernst-Otto Czempiel, 1992)のシステムとして機能するのか等々、百家争鳴の感を呈したことは、記憶から去らない。
 それから20年余が過ぎた現在、当時の予想をはるかに超える速さでグローバル化の荒波が国境線を浸食し、“国家の衰退”現象を加速させてやまない。膨大なモノ・ヒト・カネ・情報の国境を超えた移動が、国民社会間と市民社会間の相互依存体系のネットワークの複合化を促す一方、国民社会間と市民社会間の緊張と対立を増殖させる要因ともなってきた。そこに国境を超えた「責任」論が国際社会や国内社会の場で真剣に論議されるようになる背景を見て取ることができよう。ポスト冷戦期に入って国連の場で議論されるようになった「保護する責任」論は、旧ユーゴスラビアやアフリカなどで演じられた凄惨なエスニック紛争の犠牲者を生みださないために国際社会は何をなすべきかという問題意識と深くかかわってきた。共通論題の趣旨で指摘されている「地球社会共同体責任論」は、この点を指摘したものである。
 また国境の壁の多孔化を促してやまないグローバル化の加速は、非国家主体の影響力の増大をもたらし、その結果として非国家主体の国際社会において果たすべき「責任」論が学問的かつ実践的な課題として議論されるようになった。その一端を「国連グローバル・コンパクト」の人権・労働など4分野・10原則に見出すことができる、企業の国際社会における行動倫理を指し示した諸原則を履行することが、企業のコーポレート・ガバナンスに直結することは誰の目にも明らかである。
 同時にリーマン・ショック後の金融危機が国家主体のナショナルな金融ガバナンスの有り様を鋭く問い、欧州連合のリージョナルな金融ガバナンス体系の軋みを是正する方向性を指し示した点で国家主体や地域主体の「責任」が問われてきた。同様に、情報システムをめぐる覇権競争の激化も、パックス・インフォマティカと呼ばれるようなナショナル・ガバナンスのせめぎ合いを促してやまないし、“情報のシビル・ガバナンス”との緊張を増幅させてやまない。本研究大会の共通論題として設定された「グローバル・ガバナンスと責任」というテーマの持つ意義は、重くかつ深い。

グローバル・ガバナンス学会会長 山本武彦

▼ 日時:2013年9月21日(土)10時~

▼ 会場:駒沢女子大学

▼ 大会プログラムPDF版  日本語プログラム  English Program

▼ 大会プログラム概要

  • 部会Ⅰ:自由論題(10:00~12:00)
     司会:庄司真理子(敬愛大学)
    ・ 奥村由季子(独立行政法人日本原子力研究開発機構)  「IAEA の保障措置枠組みに
      おけるガバナンス強化の変遷:人材育成活動を通しての取組」
    ・ 井上浩子(早稲田大学)  「平和構築における市民社会の役割:
      東ティモールの平和構築を例に」
    ・ 渡邉智明(九州大学)  「標準規格の国際化をめぐる公的、私的制度の交錯
      ―EU の環境規格の国際標準化戦略を事例に―」
    討論者:美根慶樹(キャノングローバル戦略研究所)、首藤もと子(筑波大学)、
        横田匡紀(東京理科大学)
  • 部会Ⅱ:グローバル・ガバナンスと金融ガバナンス(13:50~15:50)
     ・ 栗原潤(キヤノングローバル戦略研究所)・東義明(日本銀行)
      「金融規制における域外適用問題: グローバル・ガバナンスにおける課題」
     ・ 中村亨(神戸学院大学)・三宅敦史(神戸学院大学)
      「グローバル・ガバナンスから捉えた大恐慌論-欧州危機への金本位制度の教訓-」
     司会兼討論者:須田美矢子(キヤノングローバル戦略研究所)
  • 部会Ⅲ:グローバル・ガバナンスとサイバーセキュリティ(13:50~15:50)
     司会:山本武彦(早稲田大学)
     ・ 山内康英(多摩大学)  「グローバル・ガバナンスの課題としてのインターネットと
      サイバーセキュリティ」
     ・ 川口貴久(東京海上日動リスクコンサルティング株式会社)
      「サイバー空間の抑止メカニズムの限界性と可能性~帰属問題を中心に~」
     討論者:李ウォンギョン(早稲田大学)
  • 共通論題:グローバル・ガバナンスと責任(16:00~18:15)
    *日本公益学会との共催
     司会:首藤もと子(筑波大学)
     ・ 梅津光弘(慶應義塾大学)  「『責任』経営教育の進展:PRME の挑戦」
     ・ 川崎恭治(一橋大学)  「国際法からみた『グローバル・ガバナンスと責任』」
     ・ 千知岩正継(北九州大学)  「リビア以後の『保護する責任』とグローバル秩序
      ―民間人保護から体制転換へ?」
     討論者:久山純弘(国連大学)
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グローバルガバナンス学会自由論題募集要項

 グローバル・ガバナンス学会は、秋季研究大会における自由論題報告部会の研究報告を募集しております。下記に従ってご応募ください。
  1. 応募受付期限:2013年7月20日(必着)
  2. 応募資格:修士あるいはそれに準じる学位を有しかつ刊行された論文が1篇以上あること。原則として、会員であること、あるいは入会申請中であること。
  3. 上記2.を満たす方で、報告をご希望の方は、【自由論題応募用紙】(Microsoft Word形式)をダウンロードして、下記(1)〜(11)の所定の項目を記入の上、(12)の報告要旨を添えて、下記の応募用アドレスまで、Eメールにファイルを添付してお送りください。
  4. 何らかの事情で【自由論題応募用紙】をダウンロードできない方は、下記(1)〜(12)の項目についての情報を、下記のグローバル・ガバナンス学会事務局宛に、Eメール、あるいは郵送にてお送りください。
  5. なお、自由論題部会でご報告をお願いすることになった場合に、A4レジュメ1枚を8月末日までにご提出いただくことになりますことをご了承ください。レジュメは学会ホームページにPDF(パスワード付)の形で掲載させていただきます。(追加の報告用資料がある場合は、ご自身で印刷して当日、お持ちください。
(1)報告タイトル (2)報告のキーワード(3個以上5個以内) (3)使用言語(英語または日本語のいずれかを選択) (4)氏名(英文名併記) (5)所属(英文名併記) (6)肩書(英文名併記) (7)応募資格 (8)研究領域 (9)関連業績 (10)連絡先1(住所、電話、Eメールアドレス) (11)連絡先2(職場あるいは留学中など、上記連絡先以外に所在する可能性のある方) (12)報告要旨(A4用紙1枚以内、フォント10.5ポイント、40字×36行) 送付先:グローバル・ガバナンス学会 事務局 【Eメールの場合】governor[at]globalgovernance.jp ([at]を@に換えてください。) 【郵送の場合】〒603-3577 京都市北区等持院北町56-1        立命館大学政策科学部・宮脇昇研究室        (封筒にグローバル・ガバナンス学会自由論題応募」と朱書のこと)  【FAXの場合】075-466-3098
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第3回研究大会のご案内

第2回研究大会は立命館大学にて無事に開催されました。 次回の第3回研究大会は以下の通り、開催の予定です。 2013年9月21日(土曜日) 駒沢女子大学 共通テーマ:「グローバル・ガバナンスと責任」 自由論題部会の募集案内を別途いたします。
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グローバル・ガバナンス学会 第2回研究大会 確定版プログラム

グローバル・ガバナンス学会第2回研究大会の確定版プログラムをお知らせします。地図・交通案内についてはPDFファイルをご覧ください。 プログラム(PDF版) Program in English (PDF) 日時:2013年4月6日(土)10時〜 会場:立命館大学 洋洋館 グローバル・ガバナンスと規範 グローバル・ガバナンス学会会長 山本武彦  2012年9月29日に開催されましたグローバル・ガバナンス学会の創立記念シンポジウムは、日中国交回復40周年という記念すべき日と奇しくも同じ日に実施され、ちょうど尖閣諸島国有化(9月11日)が決定された直後ということもあり、大きな関心を呼び起こしました。現代国際システムの基本構造である主権国家体系が、いまなお牢固として生き続けていることを肌身を通して感じられたことと思います。尖閣諸島近辺で起こった射撃管制レーダー照射事件も、まだまだ危機の余波が鎮まっていないことを感じさせずにはおきません。  他方で、北朝鮮は衛星打ち上げ用ロケットと称して昨年12月12日に長距離弾道ミサイルを発射し、2か月後の今年の2月12日には第3回目の核実験が実施されるなど、北東アジアは古典的なナショナル・ガバナンスの衝突しあう場にとどまり続けている地域であることを、いやというほど実感させました。国連安保理事会は追加制裁を発動し、また核実験後のさらなる制裁の発動を模索しています。  また2012年から13年の冬は、北京が空前の大気汚染に襲われ、PM2.5という聞き慣れない物質の襲来に見舞われました。中国の急速な経済発展は環境劣化をもたらし、健康を限りなく蝕む「人間の安全保障」の危機を加速させて止みません。3・11東日本大震災と福島第一原発事故後の放射能汚染と重なりあう形で、「人間の安全保障」が二重の危機にさらされていることを強く意識せざるを得ません。  私たちの住む東アジアだけを取ってみましても、「主権」の“規範”と「固い安全保障(hard security)」や「柔らかい安全保障(soft security)」の“規範”が折り重なるようにせめぎ合っていることに気づきます。さらに市民社会アクターの成熟が日増しに高まり、時には「主権」“規範”と激しく衝突する場面を目にするようになりました。軍縮・軍備管理といった本来なら「固い安全保障」規範のせめぎ合う世界でも、近年、市民社会アクターが主権国家の固い殻を突き崩す動きが顕著になっています。対人地雷禁止条約やクラスター爆弾禁止条約の成立にNGOが主導的役割を果たしたことは、記憶に新しいところです。 私が国連に出向していた2011年に、武器貿易条約(Arms Trade Treaty: ATT)の締結を加盟各国に働きかけるオックスファムの各国団体の連携行動を見て、いまや市民社会アクターが最も「固い安全保障」分野にまで切り込む時代に入ったことを痛切に感じました。ある意味で、それは「主権」”規範“の揺らぎを示しているのかもしれません。国際社会に「市民社会」規範が国際関係論で広く市民権を得つつある動きの一つ、と捉えることもできましょう。国際関係におけるシビル・ガバナンスの一態様として描き出すことができるかもしれません。  第2回研究大会では共通論題として「グローバル・ガバナンスと規範」を設定しましたが、多様化するガバナンス概念にどのような規範性が含まれるのか。同時に、関係性の深い隣接する争点分野間の相互ガバナンス概念にはどのような規範性が内包されるのか。問われなければならない新しい疑問が次々と湧きおこっている現在、専門知を駆使しつつも、隣接分野の専門知との擦り合わせがいかに大切かを認識する機会となることを願ってやみません。
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グローバル・ガバナンス学会 第2回研究大会 参加申し込み

2013年4月6日(土)立命館大学で開催予定のグローバル・ガバナンス学会 第2回研究大会の参加申し込みフォームを設定しました。こちらからお申し込みください。
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グローバル・ガバナンス学会 第2回研究大会 開催ご案内

日時:2013年4月6日(土)10時〜 会場:立命館大学 衣笠キャンパス 共通テーマ:グローバル・ガバナンスと規範 プログラム: 10:00-12:00 部会Ⅰ(自由論題)  13:00-15:00 部会Ⅱ・Ⅲ  Ⅱ「グローバル・ガバナンスと環境レジーム」(関西政治社会学会連携セッション)  Ⅲ「歴史のなかのグローバル・ガバナンス」 15:15-17:30 共通論題 「グローバル・ガバナンスと規範」(日本公益学会との共催) 18:00-20:00 懇親会(場所・会費未定) *大会プログラムは、本学会のウェブページでも順次更新してご案内いたします。 https://globalgovernance.jp/ 会場: 立命館大学衣笠キャンパス 〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1 衣笠キャンパスへのアクセスに関するお問い合わせ TEL 075-465-8149(衣笠キャンパス事務課) http://www.ritsumei.jp/accessmap/accessmap_kinugasa_j.html 開催校事務局: 立命館大学政策科学部 宮脇昇研究室 TEL/FAX 075-466-3098 宿泊のご案内: 開催校では宿泊の斡旋をいたしません。ご注意ください。春の観光シーズンのため、市内のホテルなどは予約が取りにくい状況が予想されます。その場合には、高槻(JR京都駅まで新快速で15分)、茨木(同じく快速で20分)、大阪(同じく新快速で30分)、大津(同じく新快速で10分)など近隣都市への宿泊もご検討ください。
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