グローバル・ガバナンス学会第21回研究会

「平和のためのビジネスの規範形成と実践例の研究―ビジネスと人権の規範としての発展をめぐって—

日時:2025年2月27日(木)15:00~17:00

※会員の皆様には会場をメーリングリストにてご案内いたしますのでそちらをご覧ください。非会員の皆様はオンラインでのご参加となります。参加をご希望の方はこちらからお申込みください。追ってZoomのURLをお知らせいたします。

申込み締切日:2025年2月26日(水)

ビジネスと平和(Business and Peace)は、国連グローバル・コンパクト(UNGC)の政策対話の中で紛争地域における民間部門の役割として2001年以来議論され、規範形成が進められた。2010年6月にニューヨークで行われたUNGCリーダーズ・サミットでは、「紛争影響地域・ハイリスク地域における責任あるビジネスとためのガイダンス:企業と投資家のためのリソース」が採択されるに至る。その後も2013年には国連平和構築委員会とUNGCが共催する「平和構築のためのビジネス」会議が開催されるなど、規範形成の機運は続いた。現在は実務、研究の両面で平和のためのビジネス(Business for Peace; B4P)として知られるが、UNGC幹部の交替やコロナ禍により、UNGC本部の動きは停滞した。しかし2022年のウクライナ戦争をきっかけにB4Pは、国連人権理事会の「ビジネスと人権」の文脈で議論されるようになり、再度、規範形成の動きが前進する兆候を見せている。

今回の報告では、B4Pを生み出す土台となったUNGCを簡単に説明し、その後、B4Pの規範としての発展プロセスをたどる。次に、実践面でのB4Pに関わるグッド・プラクティスの事例をボスニアの事例を通して検討する。また、2024年には「ビジネスと人権」分野において、欧州サステナビリティ・デユーディリジェンス指令(CS3D)を採択して、国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)を全面的に支持し、この分野における先進的な取り組みを展開し、政策形成の基礎としている。本報告では、EUにおけるビジネスと人権に関する制度的メカニズム、政策枠組みと実効性確保のマルチレベル・ガバナンスの構造について考察する。

司会者 

玉井良尚(立命館大学)

報告者

福田耕治(早稲田大学名誉教授)「EUにおけるビジネスと人権―企業持続可能性デューデリジェンス指令(CSDDD)の政策実施と日本企業への影響」

庄司真理子(敬愛大学)「平和のためのビジネス:その規範としての発展」

片柳真理(広島大学)「平和のためのビジネスを支えるパートナーシップ—ボスニア・ヘルツェゴビナの事例」

討論者 

TBC(立命館大学)

本多倫彬(中京大学)

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