第8回研究大会 開催のご案内

 安全保障関連法が施行されました。いわゆる安保法制は、昨年以来、日本の安全保障政策の転換点をなすものとして広く関心を集め、議論されてきました。政策の転換や新たな現象は、しばしば時事的な政策論を超えた、アカデミックな議論を前進させる契機になります。安保法制をめぐっても、国際関係論や法学をはじめとする分野で多彩な議論が展開しました。もっとも、それがアカデミックな知見の深まりや新たな次元に繋がったかどうか、肯定・否定の様々な声を耳にいたします。
 第8回研究大会では、共通論題を「安全保障をめぐるグローバルな関与と国内の論議」と題して、安保法制をめぐる政策論を脇に置いて相対化し、アプローチし直す機会とします。各国が、グローバルな安全保障上の関与を余儀なくされる一方で、その関与に伴うコストやリスクが国内で論争になっています。その動向と意義を問い直すと同時に、安全を追求すれば不可避的にかえって不安の拡大に帰結しかねない難問、すなわち「安全保障ジレンマ」について再検討できればと考えております。
 再検討すべき課題は、実はグローバルな秩序をめぐって多数存在します。「グローバル・ガバナンスの民主化」は、そうした課題として最重要のものの一つでしょう。民主化は、グローバル・ガバナンスの主体や決定過程に加えて、成果としての問題解決や各国の民主化についても問われます。我々がこの問いに解答しあぐねている間に、非民主的な中進国が台頭し、期待されるガバナンス像・民主化像が揺れるという現象も生じているようです。部会「グローバル・ガバナンスの民主化は可能か?」は、意義深い問題提起の場になるものと思われます。
 これに関連して、「中国によるグローバル・ガバナンス構想」は対をなす部会にあたるでしょうか。影響力を強める中国は、グローバル・ガバナンスをどのように捉え、展望し、それをどのように行動に移しているのかを検討いたします。
 グローバル・ガバナンスの研究は、一方では先端的な動向を対象とし、他方では、過去の現象や歴史の問い直しに向かっております。今回の研究大会でも、前者を部会「新しいグローバル・ガバナンスの試み」が扱い、女性と安全保障、人権をめぐる企業活動など、斬新なテーマを検討します。後者の歴史実証的な研究成果は、部会「戦後アジア秩序形成の再検討」において開陳されます。
 新たな対象や課題の考察には、それに適合する分析枠組み・方法を必要としますが、その検討もまた、新たな局面を拓いています。その現時点を確認し、議論する上で、部会「国際規範の質的・量的分析ツール」は最適の場になるでしょう。
 今回の研究大会も新鮮でチャレンジングな報告や討論を揃えており、会員の皆様が有意義な対話を交わす機会となれば幸いです。会員の皆様におかれてはぜひ参加くださいますよう、お願い申し上げます。

グローバル・ガバナンス学会会長     大矢根 聡

▼ 期日:2016年5月14日(土)・15日(日)

▼ 会場:早稲田大学(早稲田キャンパス)

▼ 第8回研究大会 日本語プログラム (2016年5月6日更新)

▼ English Program of the 8th JAGG Convention (updated on April 13th, 2016)

カテゴリー: 研究大会 | 第8回研究大会 開催のご案内 はコメントを受け付けていません

第7回研究大会 開催のご案内

 向秋の候、会員各位におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。グローバル・ガバナンス学会第7回研究大会を、下記のように筑波大学・筑波キャンパスにて2015年9月26日(土)に開催いたしますので、そのプログラムをお届けいたします。
 第7回研究大会の内容は多様ですが、あえて簡潔にまとめるならば、国際秩序・国際規範の「形成論を超えて」というテーマになろうかと思います。周知の通り、各国の社会や国際社会には、実に様々な懸案や課題があり、それに伴う混乱や軋轢は容易には解消しません。そのためか、研究者は問題の解決や安定化を展望しつつ分析を進めがちで、必然的に一定の発展イメージなり進歩史観を念頭に置きがちのようです。とりわけ国際秩序や規範、制度などを論じる際には、それらの形成過程として現象を描きだし、そこにみられる因果関係を導出し、明確化しようと尽力します。
 ですが、多くの現象は単線的な発展を遂げず、一定の国際秩序・規範の成立をもって 事態が決着するわけではありません。幾度も後退や混乱が生じ、想定外の新たな事態に直面せざるをえません。その際には、従来対応できていなかった問題や、従前の秩序・規範の内在的限界が露呈してしまいます。しかしそれは、秩序や規範の新たな展開につながるような現象、同時に研究上も興味深い素材を発見できる好機でもあります。それを視野に入れ直し、新たな観点から因果関係を再構築するのは、研究上の知見を拡張する刺激的な試みになるはずです。
 第7回研究大会では、共通論題「トランスナショナルな脅威に対する安全保障」においてISや海賊、サイバーテロや自然災害といった、従来の国家間協力では対応が容易でない、安全保障上の新たな問題群をとりあげます。それでもなお可能な国家間協力、国家以外のプレーヤーとの協働はどのようなものか。現在進行中の現象を踏まえて、従来の枠を超える議論の手がかりを摸索します。また部会「突発事態が地域ガバナンスに及ぼす影響」も斬新な内容であり、形成されていた地域ガバナンスが、突発的な事件や現象によって大きく揺さぶられる現象、また従来は有効だったガバナンスの構成要素が見直される状況を問います。部会「ポスト2015年の開発ガバナンス」においては、ミレニアム開発目標の次の段階について、国連や各国でどのような構想が浮上しつつあるのか。環境や南南協力の次元も加えて、新たな動きを多角的にとらえます。
 今回も日本公益学会に協力を賜り、研究大会を共催いたします。そのため、上記の共通論題・部会とも密接にかかわる安全保障文化の主要国比較、また女性の活躍やスポーツといった興味深い政策分野の動向、秩序や規範の前提となる住民参加の諸問題についても、セッションをお聞きいただけます。
 ご多用とは存じますが、ぜひとも研究大会に参加いただき、議論を交わしていただき、研究上の対話や交流が深まりますこと、それらが皆様のご研究を進める一助になりますことを願ってやみません。

グローバル・ガバナンス学会会長     大矢根 聡

▼ 日時:2015年9月26日(土) 10:00 ~ 18:30

▼ 会場:筑波大学筑波キャンパス・総合研究棟A/3A棟

▼ 大会プログラムPDF版  日本語プログラム  English Program

▼ 大会プログラム概要

  • 部会Ⅰ:突発事態が地域ガバナンスに及ぼす影響(10:00~12:00)
     司会:鈴木早苗(アジア経済研究所)
     ・ Sfoug Alshammary(立命館大学) ”Energy Stability in Arabian Gulf Post – Arab
      Uprisings, Shale Oil Revolution and U.S. Withdrawal Era”
      討論者:中村覚(神戸大学)
     ・ 山本直(北九州大学) 「葛藤の中のEU安全対策」
      討論者:安江則子(立命館大学)
     ・ 杉木明子(神戸学院大学) 「アフリカにおける海賊問題と『海洋ガバナンス』」
      討論者:佐藤誠(立命館大学)
  • 部会Ⅱ:ポスト2015年の開発ガバナンス(13:30~15:30)
     
    司会:上村雄彦(横浜市立大学)
     ・ 高柳彰男(フェリス女学院大学) 「ポスト2015/持続可能な開発目標(SDGs)
      プロセスにおける争点」
     ・ 伊藤丈人(青山学院大学) 「MDGsからポスト2015に向けた論点整理
      ―環境と障害分野に注目して―」
     ・ 下村恭民(法政大学) 「『新興ドナー』の台頭と国際開発規範形成過程の変容
      ―南南協力取り込みのレトリックと実利追求」
     討論者:山本吉宣(新潟県立大学)
  • 共通論題:トランスナショナルな脅威に対する安全保障(15:45~17:45)
    *日本公益学会との共催
     
    司会:大矢根聡(同志社大学)
     ・ 酒井啓子(千葉大学) 「動乱の中東を域内関係から読み解く」
     ・ 竹田いさみ(獨協大学) 「海賊を中心に」
     ・ 土屋大洋(慶應義塾大学) 「共有空間としてのサイバースペースの安全保障」
     ・ 丸茂雄一(専修大学) 「大規模自然災害―スマトラ沖地震とその後の展開」
     討論者:山本武彦(早稲田大学)
カテゴリー: 研究大会 | 第7回研究大会 開催のご案内 はコメントを受け付けていません

第8回研究大会日程のお知らせ

グローバル・ガバナンス学会
会員各位

時下、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

先般、自由論題および部会セッションの募集をご案内致しました来春の第8回研究大会(会場:早稲田大学)につきまして、日程が2016年5月14日(土)と確定致しましたのでご案内申し上げます。自由論題ならびに部会セッションをまだ募集しておりますので、奮ってご応募ください。

カテゴリー: 研究大会 | 第8回研究大会日程のお知らせ はコメントを受け付けていません

外国人研究者招聘セッション応募のお願い

グローバル・ガバナンス学会
会員各位

国際交流委員会からのお知らせです。

先日、企画委員会の庄司先生より、第8回グローバルガバナンス学会部会セッション募集および自由論題募集のお知らせがございましたが、学会大会時に、外国の研究者の方をお招きしてセッションを開催する場合は、同公募にご応募くださいますようお願い致します。

皆さまの積極的なご応募を歓迎いたします。どうぞ宜しくお願い致します。

                                        国際交流委員会 蓮生 郁代

カテゴリー: おしらせ | 外国人研究者招聘セッション応募のお願い はコメントを受け付けていません

第8回研究大会 部会セッション募集のお知らせ

グローバル・ガ バナ ンス学会は、第8回 春季研究大会における部会セッションの研究報告を募集しております。部会セッション募集要項および下記をご参照の上、ご応募いただけますようお願い申し上げます。
第8回大会は、「5月中旬の土日」(東 京・早稲田大学)にて開催されます。学会の開催日程は、会場確保の関係で、正確な日付をお知らせすることができず、申し訳ありません。正確な日程は、確定し次第お知らせいた します。
なお、部会セッションは最低5名でのご応募をお願いしております。奮ってご応募いただけますようお願い申し上げます。

企画委員会  庄司真理子

  1. 応募受付期限: 2015年8月31日 (必着)
  2. 応募資格:登壇者の すべてが、修士あるいはそれに準じる学位を有しかつ刊行された論文が1篇以上あること。原則として、会員であること、あるいは入会申請中であること。報告者3名、討論者(複数名でもかまわない)、司会者の最低5名で応募されること。
    セッションの代表者を1名決めてください。企画委員会からの連 絡は、代表者の方にのみいたします。ご報告者への連絡は、代表者の方からお願いいたします。
  3. 上記2.を満たす 方で,部会セッションの立ち上げを希望される方は,【部会セッション応募用紙】(Microsoft Word形式)をダウンロードして,下記(1)~(9)の所定の項目を記入の上,下記の応募用アドレスまで,Eメールにファイルを添付して代表者の方からお送りくださ い。
  4. 何らかの事情で【部 会セッション応募用紙】をダウンロードできない方は,下記の項目についての情報を,下記のグローバル・ガバナンス学会事務局宛に, Eメール・FAXあるい は郵送にてお送りください。
  5. なお、部会セッショ ンでご報告をお願いすることになった場合に、報告者お一人につきA4レジュメ 各1枚合計3枚(学会HPにPDFパスワード付でuploadいたします)を9月15日までにご提出いただくことになり ますことをご了承ください。追加の報告用資料がある場合は、各自ご自身で印刷して当日、お持ちください。

   応募必要事項

【司会者】

(1) 氏名(英文名併記)
(2) 所属(英文名併記)
(3) 肩書(英文名併記)
(4) 応募資格
(5) 研究領域

【第一報告者】

(1) 報告タイトル
(2) 報告のキーワード(3個以上5個以内)
(3) 使用言語(英語または日本語のいずれかを選択)
(4) 氏名(英文名併記)
(5) 所属(英文名併記)
(6) 肩書(英文名併記)
(7) 応募資格
(8) 研究領域
(9) 関連業績
(10)報告要旨(A4用紙1枚以内、フォント10.5ポイント、40字×36行)

【第二報告者】

(1) 報告タイトル
(2) 報告のキーワード(3個以上5個以内)
(3) 使用言語(英語または日本語のいずれかを選択)
(4) 氏名(英文名併記)
(5) 所属(英文名併記)
(6) 肩書(英文名併記)
(7) 応募資格
(8) 研究領域
(9) 関連業績
(10)報告要旨(A4用紙1枚以内、フォント10.5ポイント、40字×36行)

【第三報告者】

(1) 報告タイトル
(2) 報告のキーワード(3個以上5個以内)
(3) 使用言語(英語または日本語のいずれかを選択)
(4) 氏名(英文名併記)
(5) 所属(英文名併記)
(6) 肩書(英文名併記)
(7) 応募資格
(8) 研究領域
(9) 関連業績
(10)報告要旨(A4用紙1枚以内、フォント10.5ポイント、40字×36行)

【討論者】(討論者が複数名の場合、 それぞれ下記をご記入ください。

(1) 氏名(英文名併記)
(2) 所属(英文名併記)
(3) 肩書(英文名併記)
(4) 応募資格
(5) 研究領域

【代表者】
(代表者は登壇者の中のお 一人でかまいませんが、下記の連絡先を必ずお知らせください。)

(1) 氏名(英文名併記)
(2) 所属(英文名併記)
(3) 肩書(英文名併記)
(4) 応募資格
(5) 研究領域
(6) 連絡先1(住所,電話,Eメールアドレス)
(7) 連絡先2(職場あるいは留学中など、上記連絡先以外に所在する可能性のある方)
(8) 部会セッ ションの主旨説明(A4用紙 800字以内、フォント10.5ポイント)

送付先:グローバル・ガバナンス学会 事務局
【Eメールの場合】governor@ml.globalgovernance.jp
【郵送の場合】〒567-8570 大阪府茨木市岩倉町2-150 立命館大学地域情報研究所
(封筒にグローバル・ガバナンス学会自由論題応募」と朱書のこと)
【FAXの場合】072-665-2324

カテゴリー: 研究大会 | 第8回研究大会 部会セッション募集のお知らせ はコメントを受け付けていません

第8回研究大会自由論題 募集のお知らせ

グローバル・ガバナンス学会では、第8回春季研究大会における自由論題報告部会の研究報告を募集しております。下記の自由論題募集要項に従ってご応募ください。
学会の開催日程は、会場確保の関係で、正確な日付をお知らせすることができず、申し訳ありません。正確な日程は、確定し次第お知らせいた します。
なお、部会セッション(最低5名でのご応募)も募集しておりますので、奮ってご応募いただけますようお願い申し上げます。

企画委員会 庄司真理子

  1. 応募受付期限: 2015年8月31日 (必着)
  2. 応募資格:修士あるいはそれに準じる学位を有しかつ刊行された論文が1篇以上あること。原則として、会員であること、あるいは入会申請中であること。
  3. 上記 2. を満たす方で,報告をご希望の方は,【自由論題報告応募用紙】(Microsoft Word形式)をダウンロードして、下記(1)~(12)の所定の項目を記入の上、下記の応募用アドレスまで、Eメールにファイルを添付してお送りください。
  4. 何らかの事情で【自由論題応募用紙】をダウンロードできない方は、下記(1)~(12)の項目についての情報を、下記のグローバル・ガバナンス学会事務局宛に、Eメール、あるいは郵送にてお送りください。
  5. なお、自由論題部会でご報告をお願いすることになった場合に、A4レジュメ1枚(パスワード付、PDF)を2015年8月15日までにご提出いただくことになりますことをご了承ください。追加の報告用資料がある場合は、ご自身で印刷して当日、お持ちください。

(1) 報告タイトル
(2) 報告のキーワード(3個以上5個以内)
(3) 使用言語(英語または日本語のいずれかを選択)
(4) 氏名(英文名併記)
(5) 所属(英文名併記)
(6) 肩書(英文名併記)
(7) 応募資格
(8) 研究領域
(9) 関連業績
(10) 連絡先1(住所、電話、Eメールアドレス)
(11) 連絡先2(職場あるいは留学中など、上記連絡先以外に所在する可能性のある方)
(12) 報告要旨(A4用紙1枚以内、フォント10.5ポイント、40字×36行)
送付先:グローバル・ガバナンス学会 事務局
【Eメールの場合】paper@ml.globalgovernance.jp
【郵送の場合】〒567-8570 大阪府茨木市岩倉町2-150
立命館大学地域情報研究所
(封筒にグローバル・ガバナンス学会自由論題応募」と朱書のこと)
【FAXの場合】072-665-2324

カテゴリー: おしらせ | 第8回研究大会自由論題 募集のお知らせ はコメントを受け付けていません

グローバル・ガバナンス学会員限定 第1回研究会のお知らせ

会員の皆様におかれましては、時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、グローバル・ガバナンスの名を掲げた本学会ではございますが、グローバル・ガバナンスの概念自体、その最新の理論研究等について再検討し、議論する機会はあまり多くないように思われます。そこで以下の研究会を開催いたし、また会員の皆様にオープンにすることにいたしました。
万障お繰り合わせの上、ご参加いただきますようお願い申し上げます。

  • 日時:2015年7月4日(土) 13:30~15:30
  • 会場:早稲田大学西早稲田キャンパス 14号館501教室
  • アクセス:早稲田大学西早稲田キャンパスへのアクセスは下記をご参照下さい。
    http://www.waseda.jp/top/assets/uploads/2014/10/waseda-campus-map.pdf
  • 報告:奥迫元(早稲田大学)
    グローバル・ガバナンス研究の再検討理論研究の展開を中心に」(仮)
    司会:大矢根聡(同志社大学)
  • 参加費:無料
  • 本研究会は,学会員のみに公開いたします。ご了承ください。
  • 連絡先:グローバル・ガバナンス学会事務局
    secretariat@globalgovernance.jp
    電話:072-665-2324
カテゴリー: おしらせ, グローバル・ガバナンス研究会 | グローバル・ガバナンス学会員限定 第1回研究会のお知らせ はコメントを受け付けていません

第6回研究大会 開催のご案内

 本学会の掲げるグローバル・ガバナンスの概念は、1990年代初めに提起され、早いもので20余年が経過しました。当初は斬新であった概念も、すでに学術研究と実践の現場で定着し、数々の研究上・実践上の成果に結実しており、同時に、その限界も垣間見せています。この概念は、たとえ一般的概念として提示されていても、やはり冷戦終結直後の時代状況と思想を深く刻印していたと思われます。それは、今日の国際社会や国内政治経済の現実の分析、課題への対応にも、依然として有効なのかどうか。新たな現象を包括的に捉え、その本質を鋭く照射するには、概念の運用や分析方法、さらには概念自体や理論的枠組みを再吟味し、今日的な観点から再構築する必要があるのかもしれません。
 そこで第6回研究大会では、共通論題として「グローバル・ガバナンス論の再構築」を掲げ、理論と現象の双方の観点から多角的に考察する機会を設けます。また、部会「規範研究の分析射程―課題と展望―」では、新たな理論的動向を受けとめた研究を検討し、部会「『保護する責任』をめぐる国際社会の論理と現地の論理―紛争対応のグローバル・ガバナンスの模索―」、および部会「経済制裁とグローバル・ガバナンス」では、今日的な課題に対応した国際規範とその遵守をめぐって、実態的な議論を展開します。特に後者の部会は、海外から著名な研究者を招いて、シンポジウム形式で開催いたします。自由論題においても、極めて斬新な議論が提示されるようです。
 研究大会は、会員各位が研究上の自由な対話や交流を展開できる場であり、新たな研究の刺激や着想の芽生える場でもあると思われます。ご多用のことと存じますが、会員各位の積極的なご参加をお願い申し上げます。

グローバル・ガバナンス学会会長   大矢根 聡

▼ 日時:2015年4月18日(土) 10:00 ~

▼ 会場:南山大学(名古屋キャンパス)

▼ 大会プログラムPDF版 日本語プログラム English Program

▼ 大会プログラム概要

  • 部会Ⅰ:『保護する責任』をめぐる国際社会の論理と現地の論理―紛争対応のグローバル・ガバナンスの模索―(10:00~12:00)
     司会:南山淳(筑波大学)
     ・ 大庭弘継(南山大学) 「未完に終わる『責任』―思惑のズレ―」
     ・ 小松志朗(早稲田大学) 「保護する責任の相対化―介入国の論理と行動、その結果―」
     ・ 中内政貴(大阪大学) 「紛争の国際化と保護する責任
      ―ユーゴ紛争の当事者の視点から―」
     討論者:千知岩正継(北九州市立大学)
  • 部会Ⅱ:自由論題(10:00~12:00)
     司会:稲葉千晴(名城大学)
     ・ 玉井良尚(立命館大学) 「国際政治における戦争と水―湾岸戦争における
      アメリカ軍の軍事戦略からの考察―」
     ・ 望月裕太(横浜市立大学) 「ネットワークの諸相―ネットワーク構造体と
      その集合的作用についての一考察―」
     討論者:菅英輝(京都外国語大学)、近藤敦(立命館大学)
  • 部会Ⅲ:経済制裁とグローバル・ガバナンス(13:30~15:30)
     司会:TSUBOUCHI, Jun(山梨大学)
     ・ BIERSTEKER, Thomas J.(ジュネーブ高等国際開発研究院)
      ”Economic Sanctions and Global Governance: overview”
     ・ DEGILA, Delidji Eric(リヨン第三大学) ”United Nations Sanctions in Africa”
     ・ YAMAMOTO, Takehiko(早稲田大学) 
      ”Why UN sanctions against the DPRK don’t work?”
     ・ TAMAI, Masataka(立命館大学)
      ”Economic Sanction and Ukrainian Conflict-How European States
      did and How Russia response”
  • 部会Ⅳ:規範研究の分析射程-課題と展望―(13:30~15:30)
     司会:奥迫元(早稲田大学)
     ・ 臼井陽一郎(新潟国際情報大学) 「EUの対外行動にみる規範政治の諸相
      ―クロスボーダー協力による近隣政策を事例に―」
     ・ 塚田鉄也(同志社大学) 「人の移動の安全保障化と難民の保護」
     ・ 阿部悠貴(熊本大学) 「規範のジレンマと国際機構の発展
      ―ボスニア内戦へのNATOの介入を事例に―」
     討論者:西谷真規子(神戸大学)
  • 共通論題:グローバル・ガバナンス論の再構築(15:45~17:45)
     司会者:福田耕治(早稲田大学)
     ・ 古城佳子(東京大学) 「グローバル・ガバナンス再考
      —国際制度の視点から」
     ・ 足立研幾(立命館大学) 「グローバル・ガバナンス論再考
      ―規範研究の視点から」
     ・ 杉浦章介(慶應義塾大学) 「トランスナショナル・ガバナンスと
      法の支配」
     討論者:渡邉啓貴(東京外国語大学)
カテゴリー: 研究大会 | 第6回研究大会 開催のご案内 はコメントを受け付けていません

第7回研究大会自由論題 募集のお知らせ

グローバル・ガバナンス学会では、第7回秋季研究大会における自由論題報告部会の研究報告を募集しております。下記の自由論題募集要項に従ってご応募ください。

  1. 応募受付期限: 2015年2月14日 (必着)
  2. 応募資格:修士あるいはそれに準じる学位を有しかつ刊行された論文が1篇以上あること。原則として、会員であること、あるいは入会申請中であること。
  3. 上記 2. を満たす方で,報告をご希望の方は,【自由論題報告応募用紙】(Microsoft Word形式)をダウンロードして、下記(1)~(12)の所定の項目を記入の上、下記の応募用アドレスまで、Eメールにファイルを添付してお送りください。
  4. 何らかの事情で【自由論題応募用紙】をダウンロードできない方は、下記(1)~(12)の項目についての情報を、下記のグローバル・ガバナンス学会事務局宛に、Eメール、あるいは郵送にてお送りください。
  5. なお、自由論題部会でご報告をお願いすることになった場合に、A4レジュメ1枚(パスワード付、PDF)を2015年8月15日までにご提出いただくことになりますことをご了承ください。追加の報告用資料がある場合は、ご自身で印刷して当日、お持ちください。

(1) 報告タイトル
(2) 報告のキーワード(3個以上5個以内)
(3) 使用言語(英語または日本語のいずれかを選択)
(4) 氏名(英文名併記)
(5) 所属(英文名併記)
(6) 肩書(英文名併記)
(7) 応募資格
(8) 研究領域
(9) 関連業績
(10) 連絡先1(住所、電話、Eメールアドレス)
(11) 連絡先2(職場あるいは留学中など、上記連絡先以外に所在する可能性のある方)
(12) 報告要旨(A4用紙1枚以内、フォント10.5ポイント、40字×36行)
送付先:グローバル・ガバナンス学会 事務局
【Eメールの場合】paper@ml.globalgovernance.jp
【郵送の場合】〒603-3577 京都市北区等持院北町56-1
立命館大学政策科学部・宮脇昇研究室
(封筒にグローバル・ガバナンス学会自由論題応募」と朱書のこと)
【FAXの場合】075-466-3098

カテゴリー: 研究大会 | 第7回研究大会自由論題 募集のお知らせ はコメントを受け付けていません

第6回研究大会自由論題 募集のお知らせ

グローバル・ガバナンス学会では、春季研究大会における自由論題報告部会の研究報告を募集しております。下記の自由論題募集要項に従ってご応募ください。
  1. 応募受付期限: 2014年12月12日 (必着)
  2. 応募資格:修士あるいはそれに準じる学位を有しかつ刊行された論文が1篇以上あること。原則として、会員であること、あるいは入会申請中であること。
  3. 上記 2. を満たす方で,報告をご希望の方は,【自由論題報告応募用紙】(Microsoft Word形式)をダウンロードして,下記(1)~(12)の所定の項目を記入の上,下記の応募用アドレスまで,Eメールにファイルを添付してお送りください。
  4. 何らかの事情で【自由論題応募用紙】をダウンロードできない方は,下記(1)~(12)の項目についての情報を,下記のグローバル・ガバナンス学会事務局宛に, Eメール,あるいは郵送にてお送りください。
  5. なお、自由論題部会でご報告をお願いすることになった場合に、A4レジュメ1枚(パスワード付、PDF)を3月末日までにご提出いただくことになりますことをご了承ください。追加の報告用資料がある場合は、ご自身で印刷して当日、お持ちください。
(1) 報告タイトル (2) 報告のキーワード(3個以上5個以内) (3) 使用言語(英語または日本語のいずれかを選択) (4) 氏名(英文名併記) (5) 所属(英文名併記) (6) 肩書(英文名併記) (7) 応募資格 (8) 研究領域 (9) 関連業績 (10) 連絡先1(住所,電話,Eメールアドレス) (11) 連絡先2(職場あるいは留学中など、上記連絡先以外に所在する可能性のある方) (12) 報告要旨(A4用紙1枚以内、フォント10.5ポイント、40字×36行) 送付先:グローバル・ガバナンス学会 事務局 【Eメールの場合】paper@ml.globalgovernance.jp 【郵送の場合】〒603-3577 京都市北区等持院北町56-1 立命館大学政策科学部・宮脇昇研究室 (封筒にグローバル・ガバナンス学会自由論題応募」と朱書のこと) 【FAXの場合】075-466-3098
カテゴリー: 研究大会 | 第6回研究大会自由論題 募集のお知らせ はコメントを受け付けていません