第9回研究大会 開催のお知らせ

 国際秩序の構築は、国家間関係の誕生と同じくら い古くからの課題であろう。 冷戦終結後にグローバル・ガバナンスの摸索が本格化すると、国家間関係以外の多様なアクターが機能を分担し、分野横断的な秩序を形成する展望が描かれた。その到達は容易ではなく、現時点での成果も限られているが、今後の可能性を示唆する手がかりは、確かに蓄積されてきている。
 しかし他方で、新たな脅威や不安定要素が次々と姿を現し、また秩序形成に協力すべ き国家やアクターにも、従来の中核的メンバーからする と異質に見える存在が深く加わってきた。同時に、そのような中で、新たな課題に対応するための興味深い試みも浮上している。
 第9回研究大会では、そうした新たな脅威・不安定要因として、テロだけでなく国際犯罪組織やコカイン密輸の動きを検討し(部会Ⅰ)、また、新たなアクターとして、NGOだけでなく、BRICSやイスラームの動向を視野に入れて考察する(部会Ⅲ)。同時に、従来の中核的メンバーの一国、イギリスがEUというグローバル・ガバナンスにも波及効果を与える地域ガバナンスから離脱した衝撃を分析する(部会Ⅳ)。
 さらには、本来であれば積極的に論じるべきでありながら、意外にも等閑視されがちな問題、すなわち日本の関与にも検討の射程を広げたい。すなわち共通論題において地球環境問題、発展途上国の開発、アジア地域秩序への対応に照準をあわせて、日本外交が国際秩序にどのように関与しているのか、その現時点の様相を捉え、またその分析視角についても検討 したい。
 第9回研究大会では、従来から本学会の課題になっていた若手研究者のネットワークづくりと研究上の対話の場として、新たに昼食時にBBM(ブラウン・バッグ・ミーティング)を開催する。若手研究者は、現在の研究課題や今後本格的に取り組もうとしているテーマについて、他の研究者の声を聞く絶好の機会にできるであろうし、また中堅・シニアの研究者は、新たな研究の動向や関心のあり方を知る好機になるのではないだろうか。上記の部会、共通論題とあわせて、会員の方々の積極的な参加と議論をお願いできれば幸いである。

 

グローバル・ガバナンス学会会長     大矢根 聡

 

▼ 期日:2016年10月8日(土) 10:00~20:00

▼ 会場:大阪大学(豊中キャンパス) 国際公共政策研究棟

▼ 第9回研究大会 日本語プログラム (2016年9月6日更新)

▼ English Program of the 9th JAGG Convention file 1 file 2
       (updated on September 13th, 2016)

▼ オンライン参加申込みはこちらからお願い致します。

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