会員の皆さまにおかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。 2025 年度の第 18 回研究大会は、佐竹壮一郎理事を実行委員長として白鷗大学本キャン パス(栃木県小山市)にて開催されます。本大会は第7期理事会として初めての研究大会と なり、「熟議と対話のグローバル・ガバナンス」を共通論題のテーマに掲げております。昨 年は日本を含む主要国で選挙が行われ、インフレや難民問題などを背景に、多くの国で与党 が敗北する結果となりました。特に、2025 年 1 月に発足した第 2 次トランプ政権による 大々的な政策転換は、アメリカ国内にとどまらず国際秩序全体に影響を及ぼしています。ま た、アメリカに限らず、各国で世論の分極化が進む一方、ソーシャルメディアの影響力がま すます高まる中で、生成AIの普及に伴う誤情報・偽情報の拡散による影響も懸念されてお ります。こうした状況の中、改めて「民主主義」の意義が問われており、今大会では「熟議」 と「対話」という民主主義に不可欠な要素に焦点を当て、討議をおこないます。なお、共通 論題は例年どおり市民公開セッションとして開催されますが、今回は従来の慣例を踏襲せ ず、会長ではなく企画委員長を中心に企画を進めました。また、研究大会の開催頻度が年2 回から年1回となって以来、2日間の研究大会で両日ともに共通論題が設定されてきました が、今回は1つに絞り、2日目の午前中に開催することといたしました。 一方で、部会では難民保護、政治体制、地経学、規範研究などのテーマに加え、NATOの 南方戦略、EUの対外学術協力、インターネット・ガバナンスなど、多岐にわたる自由論題 報告も予定されております。今回も会員の皆さまから積極的な応募をいただき、大変うれし く存じます。ご協力に心より感謝申し上げますとともに、多くの皆さまにご参加いただき、 活発な議論が交わされますことを期待しております。 今大会の開催にあたり、企画委員長の小松志朗理事を始めとする企画委員の阿部悠貴理 事、河越真帆理事、髙島亜沙子会員、山﨑周会員、吉沢晃会員の皆さまには多大なご尽力を 賜りました。また、研究大会の会場確保が大変困難となっている中、前嶋和弘副会長、山本 直副会長を中心に、多くの理事・会員の皆さまのご協力により、慣例に沿った形で首都圏で の開催を実現することができました。さらに、実行委員長の佐竹理事に加えて、本多倫彬事 務局長と中山裕美会計担当理事にも各方面の調整にご尽力いただきました。このような理 事会全体でのご支援・ご協力に心より感謝申し上げます。 今回の研究大会は、従来とは異なる形式を取り入れつつも、国際秩序が大きく揺らぐ中で、 多様な観点からグローバル・ガバナンスについて討議する貴重な機会となると考えており ます。会場で多くの会員の皆さまとお会いできますことを楽しみにしております。どうぞお 気を付けてお越しください。
グローバル・ガバナンス学会第7期会長 小尾 美千代
日程:2025年5月10日(土)〜 11日(日)
会場:白鷗大学 本キャンパス
日本語プログラム:2025年3月版